2020年8月、国立歴史民俗博物館とインドネシア・バンドン工科大学との間で、包括連携協定を結びました。これにより、歴史文化資料情報のデータベース化とその公開・活用にむけた実践的研究を実際に協力して進めていく運びとなりました。
新型コロナウイルス感染症の世界的拡大により、国境を越えた往来が未だ困難な状況であるため、調印式は行われず、それぞれの長が各自協定書に署名し協定の締結を完了いたしました。まずバンドン工科大学のレイニ D. ウィラハディクスマ学長による覚書への調印を受け、その後国立歴史民俗博物館の西谷大館長が同書に調印しました。国際協働の先が見通せない情勢の中、こうした研究協定を締結することは、国際社会の未来を明るく照らす象徴的な出来事でもあります。
今後、両者間では、主にバンドン工科大学芸術デザイン学部が蓄積してきた歴史文化資料とそのデジタルデータの公開・活用を目指した共同研究などを通し、歴史文化資料情報をデザインや教育の場で活用していくための情報基盤システムの構築を目指します。その中で、オープンデータやパブリックヒストリーに関する議論が展開されることにより、アジアにおけるデジタル・ヒューマニティーズ研究の更なる発展が期待されます。