2016年10月23日・24日 ワークショップ3を開催

dscn134412016年10月23・24日の両日、ワークショップ3の共同研究を、国立歴史民俗博物館で開催しました。

初日は、藪田貫先生(兵庫県立歴史博物館館長。関西大学名誉教授。専門は日本近世史)に「日本学と総合資料学―メタ資料学研究への期待と課題」で、小谷竜介先生(東北歴史博物館学芸部学芸班副主任研究員。専門は民俗学)には、「東北歴史博物館資料管理システムの理念と実際」という題目で発表していただきました。その後、活発な意見交換をおこないました。また二日目は、歴博のアーカイブ室において、資料の閲覧を行いました。

さて、藪田先生の発表の内容は、兵庫県立歴史博物館と兵庫県立博物館協会の現状と課題、近世史研究者として史資料認識の深化と変化、海外特にヨーロッパにおける日本在外資料の研究、さらには先生が行われてきた在外資料研究の具体例と、研究を実現、維持、発展させるための織論にまで話が及びました。
特に強く印象に残ったのは、在外資料研究には、今発見されている資料を研究するだけでなく、まだ発見されていない資料を研究し資料化する必要があり、そこにこそ総合資料学がリンクすべきではないかという指摘でした。

東北歴史博物館の資料管理システムは、非常に完成度が高いのですが、その構築に中心的な役割果たされてきたお一人が小谷先生です。具体的なシステムの内容を、詳細に説明していただきました。もちろん資料のデータ化・整理のための人手不足といった直面する問題もあるのですが、資料管理システムを構築するにあたり、明確な理念が背景にあることが、「使える資料管理システム」につながるという思いを強くしました。
また総合資料学への具体的な提案として、モノ資料に対して、付加情報を参加型とし、資料化運動のような展開も1つの方法ではないかという貴重な意見もいただきました。

【日程】
● 2016年10月23日(日)14:00~18:00
場所:国立歴史民俗博物館大会議室
14:00~14:10 挨拶・連絡
14:10~15:10 報告1「日本学と総合資料学」藪田 貫(兵庫県立歴史博物館)
15:10~15:20 休憩
15:20~16:20 報告2「東北歴史博物館資料管理システムの理念と実際」小谷竜介(東北歴史博物館)
16:20~16:30 休憩
16:30~18:00 意見交換
18:00  終了

●2016年10月24日(月)9:00~10:30
場所:国立歴史民俗博物館アーカイブ室
09:00~10:20 歴民カードの閲覧
10:20~10:30 連絡

報告を受けての議論の様子

初日 報告を受けての議論の様子

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二日目 資料熟覧の様子