2016年12月9日ワークショップ1を国文学研究資料館で開催しました。
9月にJADHと共催した国際シンポジウム「デジタル時代の歴史資料へのアクセス・分析と人文学―総合資料学とDigital Humanities」の成果を踏まえ、このワークショップでは、特に日本においてデータ化された歴史資料や成果について、どのような形で活用可能なのかの検討を深めることを目指しました。そこで、情報処理学会 人文科学とコンピュータシンポジウムと共催のセッションとし「歴史情報データはどのように研究・教育で活用されるのか」と題してお二方にご登壇いただき、研究報告と討論を実施しました。
日時:2016年12月9日 15:10~18:10
場所:国文学研究資料館 オリエンテーションルーム
内容:
<全体説明>
後藤 真(国立歴史民俗博物館 准教授)
「国立歴史民俗博物館が進める「総合資料学の創成」と情報基盤―これまでの経緯を含めて―」
<研究報告>
岡田義広(九州大学 附属図書館付設教材開発センター長)
「ICT活用による歴史学教材開発」
高田良宏(金沢大学 総合メディア基盤センター 准教授)
「研究資源の蓄積と利活用を目指した学術資源リポジトリについて~ヴァーチャル・ミュージアムからサブジェクトリポジトリ、そして今後~」
討論では、下記のような点が話し合われました。
宮中儀礼など、資料が少なく詳細に諸説あるような題材の3D化を試みることは、研究においても、より効果的な学説比較が可能となるなどの好影響が認められる。今の歴史研究で「わかっていない部分はどこか」が明確になることで、新たな資料研究を可能にする部分があるのではないか。
大学の研究者側で自分たちの研究資料を保存することにも限界がある。大学の資料を(歴史的なものであっても文理を問うものではなく)持っているが、これらを研究の過程から保存していくことが必要であろう。