2018年12月22日(土)、千葉大学において、歴史文化資料保全の大学・共同利用機関ネットワーク事業/国立歴史民俗博物館共同研究「総合資料学の創成と日本歴史文化に関する研究資源の共同利用基盤構築」地域連携・教育ユニットによるシンポジウム「地域の歴史文化資料の救済と連携」を開催しました。
国立歴史民俗博物館は、千葉大学と連携し、千葉県内の歴史文化資料の災害対策に取り組んでいます。大学や博物館、そして地域社会と密接に連携することで、多様な歴史文化資料の保存と継承を目指しています。そこで、本シンポジウムでは「災害に備えた歴史文化資料の救済と保存・継承」をテーマに、資料の救済技術を共有し、とくに千葉県での取り組みを通して、地域の歴史文化資料を継承するための連携について、議論を進めることとしました。
第1部のワークショップでは「災害への備えと歴史文化資料の救済を考える」をテーマとし、水損した紙資料や写真の救済方法に関する実演と体験を行いました。資料が水損した際は、可能な限り早く乾燥させることの重要性が強調され、参加者全員が共有しました。
第2部のシンポジウムでは「地域の歴史文化資料の救済と連携」と題し、千葉歴史・自然資料救済ネットワークなど、実際の資料保存や地域との連携に取り組んでいる3名の報告の後、地域の歴史文化資料をいかに保存し、継承していくのかという課題について、パネルディスカッションが行われました。千葉県内の取り組みや今後の連携方法など、広く共有することができました。
雨天の中の開催ではありましたが、第1部の参加者25名、第2部の参加者は40名でした。ワークショップの実演者ならびに報告者の方がた、ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
日時:2018年12月22日(土)10:00-17:00
会場:千葉大学教育学部二号棟
【プログラム】
第1部 ワークショップ「災害への備えと歴史文化資料の救済を考える」
10:00-11:50 実演 山内利秋(九州保健福祉大学)、天野真志(国立歴史民俗博物館)
第2部 公開シンポジウム「地域の歴史文化資料の救済と連携」
14:00-14:10 開会・問題提起 久留島浩(国立歴史民俗博物館長)
14:10-14:40 報告1:「千葉大学・千葉資料救済ネットの取り組みと現状」小関悠一郎(千葉大学)
14:40-15:10 報告2:「資料保全と地域間連携の多様性」山内利秋
15:10-15:40 報告3:「大都市圏における大学と地域資料保全」多和田雅保(横浜国立大学)
15:55-16:55 コメント・パネルディスカッション
16:55-17:00 閉会 西谷 大(国立歴史民俗博物館副館長)