少し時間が経ってしまいましたが、海外で行った発表について、ご報告します。
2019年7月9日(火)〜12日(金)、DH2019 – Digital Humanities conference 2019がオランダ・ユトレヒトにおいて開催され、総合資料学からは2件のポスター発表を行いました。
DHは、人文情報学における国際的なトップカンファレンスであり、ここでの研究発表は国際的にも重要な意味を持ちます。
1件は総合資料学のデータと異分野の連携によるものであり、特に和紙の情報に関して、デジタルデータ化を介した標準化を行うことと、それによる国際的な研究展開の意義について発表したものです。
もう1件は人間文化研究機構が進める「異分野融合による「総合書物学」の構築」との共同によるもので、『延喜式』のTEI化を題材としつつ、東アジアにおけるTEIデータ構築のための手段についての発表を行ったものです。
前者はこれまでの異分野連携ユニットの成果の一つの形であり、今後、関連する科研等を通じてさらに大きく展開することが期待されるものです。後者のTEIについては、これまでkhirinが目録情報と画像情報を中心に公開してきたものに加え、テキストの国際標準での公開をも行うことができる可能性を作り出したものです。テキストデータの公開は2020年度以降、具体的に展開することが強く望まれており、実装を検討していく予定です。