9月14日(水)~17日(土),ルーマニアのブカレスト大学中央図書館で開催された日本資料専門家欧州協会(EAJRS,European Association of Japanese Resource Specialists)へメタ資料学研究センターの後藤・渋谷が参加し,機関ワークショップを実施しました。
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EAJRSは欧州における日本分野の資料(図書館資料・情報資源)に関心をもつ専門家(司書,研究者等)によるグループであり,毎年9月頃に年次大会が開催されています。今大会のテーマは「日本資料図書館の国際協力」でした。参加者は約50名,参加国10か国以上(アメリカ・イギリス・ノルウェー・ルーマニア・フランス・オランダ・ロシア・ドイツ・リトアニア・日本など)でした。
国立歴史民俗博物館は初参加でしたが,総合資料学の紹介と研究協力の相談を行うことを目的に参加しました。
大会発表は11のセッションに区分され,ブカレスト大学やルーマニアの日本研究も含めた34本の発表があり,内容については,デジタル・ヒューマニティーズ等の最新動向,画像資料のデジタル化に関する成果,国際交流や国際協力,在欧和古書保存プロジェクトの報告など多岐にわたっていました。さらに大会中は,Complexul Muzeal AradでKuchi-e exhibition,Romanian Academy Libraryで浮世絵コレクションの見学なども行われました。
機関ワークショップは16日(金)午前でしたが,大会期間中は毎日ブースを設営し,参加者に対して説明を行いました。実施日当日は,総合資料学の概要と今後の計画,歴博のデータベースの紹介を行いました。
全体的な結果として,ヨーロッパでは日本の資料への興味が非常に高いことがわかりました。これは,日本研究に対して英語でアクセスできることの需要の大きさを示しています。英語での宣伝は海外でのプレゼンスをより高めるという指摘もいただき,英語化の重要性を実感させられました。
さらに,IIIFなどの画像データへの期待の高さも見受けられ,洛中洛外図屏風人物データベースなど,すでに作られているデータベースの実演は参加者たちの興味を強くひいたようでした。共同研究や出版などの誘いも受けることができましたので,今後につながる多くの成果を得られたと思います。
最終日17日の総会では,来年2017年大会がノルウェーのオスロに決定し,今大会は終了しました。