5月27日(月)、一橋講堂にて今年度第1回目の人文情報ユニット研究会を開催しました。今回の研究会は27・28日に開催されたJapan Open Science Summit 2019(JOSS2019)の1セッションとして、合同会社AMANEとの共催にて実施されました。
今回の研究会テーマである「地域に現存する文化財の継承とオープンな情報資源化に向けた取り組み」は、歴史資料・文化財の保存・継承活動においても、近年の情報通信技術の発展やオープンサイエンスの興隆を反映した新しいモデルの確立が必要ではないか、という問題意識を表現したものです。
セッションでは 、合同会社AMANE代表の堀井氏による趣旨説明に続き、当館の後藤を含む4名のスピーカーから、地域資料の保存継承活動についての報告がなされました。いずれの報告者も、オープンサイエンス的な積極的情報公開を推進しつつも、個人情報保護など歴史資料特有の課題を指摘しており、歴史分野におけるオープンサイエンスの意義と諸課題を整理する機会となりました。
【プログラム】
5月27日 10:15~11:45
特別会議室(1F)B1「地域に現存する文化財の継承とオープンな情報資源化に向けた取り組み」
・堀井 洋(合同会社AMANE)趣旨説明
・後藤 真(国立歴史民俗博物館)「地域の歴史・文化資料のデータ化の課題とオープンサイエンス」
・高田 良宏(金沢大学)「研究データの早期オープン化に資する「逐次公開」型運用モデルと運用支援環境の検討」
・松岡 弘之(尼崎市立地域研究史料館)「オープンサイエンスと地域文書館」
・山内 利秋 (九州保健福祉大学)「誰のために地域社会の資料はまもられるのか?」